作:はなださとし 演出:矢作勝義
出演:高橋彰規・すずきこーた・村山直子・原麻理子・皆川紀子・
矢作勝義・川上琢史・鈴木砂絵子・木村淳(劇団B計画)
日程:1997年11月14日〜18日
会場:池袋シアターグリーン
インターネット上に構築されたヴァーチャルサーキット。何人ものプレーヤーが同時に参加できるネットワーク・レーシング・ゲームだ。
ゲームに参加するプレーヤーは、自らチューンアップしたレーシングマシン(ここではヴァーチャ・ヴィークル、略して“VV”と呼ばれる)をヴァーチャル・パイロットとして自在に操る。
コースレイアウトは、首都高速を細部に至るまで完全に再現している。また、VICS対応により現実の渋滞や事故までも、リアルタイムに反映される。パイロット達は、このサーキット上で日夜レースを繰り広げている。物語は、ヴァーチャル・サーキットを緑色のホンダ・ポシェットタイプのVVで、ちんたら走り回る女を中心として展開していく。
そして、彼女を取り巻く困った芸風の登場人物達。サーキットの風雲児『鷹山』、好敵手『ホーリー』、エンジンチューニングのプロ『宮内』、そのアシスタント『かずえ』そして現役中学生三人組、リーダー『天城』、腰ぎんちゃく『伊東』、虐められっ子『下田』等などなど・・・最低限のルールに従い、互いの技量を楽しげに競い合う彼ら。
しかし、そんなアミューズメント空間で、知らず知らずの内に、一人の闖入者による悪意に満ちた撹乱が開始されていた。それは、恐怖の殺人VVであった。艶消しの黒一色に塗られた車高の低い鋭角的な車体が、前照灯も点けずトラックの脇を擦り抜け、一気にプレーヤー達のVVに激突する。攻撃は完膚無きまでに行われ、狙われたパイロットは確実に葬り去られていく・・・噂では、殺人VVに殺されたプレーヤーは何故か二度とサーキットに姿を現さないという。殺人VVは何故プレーヤー達を虐殺し続けるのか?一体殺人VVの正体は何なのか?
現実と虚構がない交ぜになったサーキットを舞台として、今ここに殺人VVと登場人物たちのヴァーチャルな命を掛けた、戦いの火ぶたが切って落とされた。そして、神出鬼没の殺人VVを追い詰める作戦が遂行されていく中、ホンダ・ポシェットの女の心の奥底に隠蔽したはずの過去が次々に明らかになっていく・・・演劇レーベルボータンツがお届けする、今世紀最高のヴァーチャル・サイコ・ストーリー芝居!ボケッと観てると、火傷するぜ!!